病的なむくみ【浮腫(ふしゅ)】について

 夕方になると足がむくんで靴下の跡がついてなかなか消えなかったり、靴がきつくなったりしても、翌朝には元に戻ることは多くの方が経験していると思います。このように、人の体は水分の均衡状態を維持するためにさまざまな仕組みが備わっています。

 

 足のむくみが翌朝には改善されているのは、足に溜まった余分な水分が夜のうちに本来の場所に戻るからです。これは一時的なむくみの現象で、健康な方でも起きることで病気ではありません。しかし、余分な水分を元に戻すために体がいくら頑張っても、対応能力を上回ってしまうと、水分は皮下に溜まったままになります。これが病的なむくみで医学用語で 浮腫(ふしゅ)といいます。

 

 むくみの発生する場所によって「全身性浮腫」「局所性浮腫」に大きく分けられます。
参考ページ→むくみの見分け方のポイント

 

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浮腫の種類とその特徴について

 むくみは皮下組織が少ない部位にできやすく、一番むくみやすいのは【足】です。両足にむくみを起こす場合には、その80%〜90%が全身性浮腫で、心臓、腎臓、肝臓、内分泌系の病気が大半です。病気によってかなり特徴的なむくみが起きる場合もありますが、むくみの症状だけでその原因を突き止めるのは難しく、病気に伴う他の症状が重要になってきます。

 

 下記に代表的な浮腫の種類と特徴をわかりやすく簡単に説明していますが、この内容だけでは正しい診断をすることは出来ませんので、必ず医師の診察を受けて下さい。

 

【全身性浮腫】

種類

特徴

浮腫以外に見られる症状

心性浮腫

立ち姿勢では足に、寝た姿勢では腰や背中がむくむ。夕方に症状が強くなる。

夜間の呼吸困難。
うっ血性心不全の症状。
静脈が拡張して膨れあがって見える症状。

腎性浮腫

急性糸球体腎炎では、まぶたなどの顔がむくむ。ネフローゼ症候群では全身に強いむくみ。 食欲不振や倦怠感。蛋白尿。

肝性浮腫

腹水を伴うケースが多い。 肝機能障害(黄疸など)の症状。

 

【局所性浮腫】

種類

特徴

浮腫以外に見られる症状

静脈性浮腫

強いむくみで痛みを伴う。 色素沈着や皮膚炎など

リンパ浮腫

だるさ、おもさ、疲れやすい。
リンパ管炎がなければ特に痛みはない。

リンパ管炎。慢性化すると象皮病に。

このあと、さらに詳しく解説していきます。

 

むくみと病気の関係記事一覧

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