両足がむくむことの多い【全身性浮腫】の種類と特徴

 両足がむくむ場合、「全身性浮腫」が80%〜90%を占めますが下記の種類が代表的なものです。

心性浮腫

 心性浮腫は心臓の病気が原因で起こる浮腫で、様々な心疾患による「うっ血性心不全」が代表的なものです。心臓に疾患を持つ方はむくみやすくなりますが、心筋梗塞、弁膜症、心筋症、先天性心疾患などの心臓の病気は心臓の機能が低下するのが原因です。通常は足がむくんだりしますが、寝たきりの方では背中側にむくみが現れます。

 

スポンサード リンク 

 

 

 心臓が悪い方のむくみは、心臓のポンプ機能が低下しているためで、血流がスムースでないため血液が心臓に戻れずに抹消でうっ滞した状態になります。すると静脈圧上昇や毛細血管の圧力が上昇して組織間隙から血管への水分が戻りにくくなります。また有効な循環血液量も減少するので、水分やナトリウムが過剰に残り続けるため、ますますむくみがひどくなります。

 

肝性浮腫

 肝性浮腫は肝臓の病気が原因でおこる浮腫です。中でも「肝硬変」はむくみをきたす病気の代表のようなものです。

 肝硬変とは肝炎ウイルスやアルコールなどが主な原因で、肝細胞の壊死と炎症、再生を繰り返し、肝臓本来の小葉構造と血管系が破壊されて肝臓が小さく硬くなる恐ろしい病気です。

 肝硬変になると肝臓に入り込む門脈という血管の圧が上昇し、腹水が生じてきます。腹水も浮腫のひとつの型です。肝臓は血液中に水分を溜めておくためにアルブミンという合成を行う働きをしていますが、この働きが低下する(低アルブミン血症)ことで、本来体外へと排出されるはずの水分、ナトリウムが体内に蓄積して全身性浮腫を生じます。

 

腎性浮腫

 腎性浮腫は腎臓の病気が原因でおこる浮腫です。また腎臓の病気による全身性浮腫が起こるメカニズムは病気によって異なります。

ネフローゼ症候群

 腎臓の糸球体における蛋白質の透過性亢進により、血中のアルブミン濃度低下が起こります。これにより毛細血管内の浸透圧が低下し、組織間液を毛細血管内に引っ張り込めなくなり浮腫が生じます。

腎不全

 腎臓からの水分、ナトリウム排泄機能の低下によってこれらが血管内に溜まり毛細血管から水分が過剰に出てしまうことでむくみをひき起こします。同時に血圧の上昇や肺うっ血などの症状が出てきます。

 

 以上の「心性浮腫」「肝性浮腫」「腎性浮腫」が全身性浮腫を起こす代表的な3つの疾患です。

 

 そして、どのような病気と関連があるのかは、そのむくみのタイプがどのようなものであるかも重要です。指で押したときに痕が残るようであれば組織間隙にはたんぱく質が少なく水分とナトリウムが多いということが言え、これはよくある「むくみ」の症状です。

 

 しかし、パンパンにむくんでいても指で押しても痕が残らない場合は、組織間隙のたんぱく質が多いということが言え、このような場合は「リンパ浮腫」や「甲状腺機能低下症」などが考えられます。指で押して痕が残らなくても、このような病気のケースもあるので気をつけなければなりません。

 

 

スポンサード リンク 

”全身性浮腫”の種類と特徴関連ページ

甲状腺の病気とむくみ
甲状腺の病気もむくみを引き起こす代表的なものです。甲状腺機能低下症や甲状腺機能亢進症などについて解説します。
薬とむくみ
普段飲んでいる薬がむくみの原因になる事があります。薬の成分が血液を通じて全身をめぐり効果を発揮しますが、肝臓や腎臓などにも影響が及んでしまうため、薬の副作用でむくんでしまう事もあります。
アレルギーとむくみ
アレルギーを有している方の場合、まれではありますが、むくみを起こすことがあります。どのようなアレルギーでむくみが生じるのか詳しく解説します。