むくみの定義とメカニズム

 むくみを医学的に定義をすれば、静脈がつまる、リンパ液がスムーズに流れない等、さまざまな原因によって、細胞と細胞の間の水分(間質液)が血管に戻らず、これが余分な水分として過剰に溜まった症状です。

むくみの正体は「間質液」のバランスの崩れ

 人のからだの水分量は、体重の約60%であることは聞いたことがあるのではないでしょうか?この”60%”の水分の内訳は、細胞外液(細胞の外の水分)が1/3、細胞内液(細胞内の水分)が2/3の量存在しています。

 

 そして、細胞外液の80%は、細胞と細胞の間に存在する水分で「間質液」といいます。残りの20%は血管、リンパ管の中にある血液の液体成分である「血漿(けっしょう)」やリンパ液です。また間質液の量は、全体重の約15%を維持するようなメカニズムが常に働いていています。

 

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 細胞と細胞の隙間を「組織間隙」といい、ここに間質液が存在します。この間質液は動脈側の毛細血管から染みだし酸素や栄養素を細胞に届ける役割と、細胞の代謝によってできる炭酸ガス(二酸化炭素)や老廃物を、静脈側の毛細血管やリンパ管へ戻す役割があります。毛細血管の壁には微小な穴があり、常に水分(間質液)が出し入れされているわけです。

 

 また、血管から染み出る水分量と、血管に戻る水分量は常に同じ量になるようなメカニズムも働いています。これがなんらかの原因によってこのバランスが崩れ、血管から染み出る水分量が多すぎたり、逆に血管に戻す量(再吸収)が少なすぎたりすると、過剰な水分が皮下に溜まってしまい、これが「むくみ」の正体でもあります。

血管から染み出る水分が異常に増える原因は?

 肝硬変やネフローゼなど、肝臓や腎臓の病気が原因で血管から染み出る水分が異常に増えます。また、血液中のたんぱく質が少なくなる低たんぱく症や、アレルギー、虫刺されなどもあげられます。

血管へ戻る水分が少なくなる原因は?

 心不全や下肢動脈瘤などで静脈の流れが悪くなると、血管への水分の再吸収が悪くなりますのでむくんでしまいます。同じく足の筋肉を使わないでいると、静脈の流れが悪くなります。

 

 すると血管の水分の再吸収がうまく行われません。長時間の立ち仕事やディスクワークなどの座り仕事がむくみやすいのは同様の理由からです。

 

 

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